🌿 「夏に増える?溶連菌感染症への備え」
皆さま、こんにちは。小児科クリニックの院長として、日々地域の皆さまの健康をお支えする中で、この時期にぜひお伝えしたいテーマがあります。それは「溶連菌感染症(A群溶血性レンサ球菌感染症)」です。
これまで、溶連菌感染症は主に冬から春にかけて流行する病気とされてきました。しかし、近年の疫学的研究によって、季節を問わず一定の流行が見られることが報告されており、特に初夏から夏季にも注意が必要であることが示されています。
溶連菌感染症は従来の「季節性疾患」という捉え方を超え、通年を通じた予防意識が求められる疾患と言えるでしょう。

👀 夏季における注意点
夏はお子さまが屋外で過ごす時間が増え、プールやキャンプなど集団行動の機会も多くなります。このような環境では、飛沫感染や接触感染のリスクが高まります。喉の痛み、発熱、発疹、頸部リンパ節の腫れなどが見られた際には、速やかな医療機関の受診をお勧めいたします。
適切な診断と治療により、溶連菌感染症は多くの場合、数日で改善が見込めますが、リウマチ熱や急性糸球体腎炎といった合併症を未然に防ぐためにも、早期の対応が肝要です。
次回の院長ブログに溶連菌の症状や治療についてお伝えします。
院長コメント👨⚕️
「夏に溶連菌?」と驚かれる方もおられるでしょうが、これはまるで北斎の『富嶽三十六景』に描かれた波のように、予測できそうで意外と読めないのが自然と人間社会の織りなす現象です。
かつて茶道の千利休は「夏は涼しく、冬は暖かに」というおもてなしの極意を説きましたが、現代の私たちも「季節に応じた健康管理」という形でこの精神を取り入れることが大切です。つまり、夏こそ冷静に、しかし油断せず、溶連菌のリスクを意識して過ごすことが、お子さまを守る最良の“おもてなし”なのです。
皆さま、健やかな夏をお過ごしください。