百日咳が増えてきています。検査について解説
こんにちは、院長です。最近、百日咳(ひゃくにちぜき)の感染者数が増えてきているという報告が多くなってきました。特に、子どもだけでなく、大人の感染が増えていることが注目されています。

1. 百日咳が増えている背景
複数の研究によると、百日咳の増加は、ワクチン接種率の低下や免疫の低下が一因となっていると考えられています。例えば、アメリカでは1990年代から2000年代にかけて、ワクチン効果の低下と診断技術の向上が感染報告数増加の背景にあるとされています (Güriş et al., 1999)。また、近年のイスラエルでも、予防接種後の免疫力低下が原因で成人の感染が増加していると報告されています (Hochwald et al., 2006)。
2. 百日咳の検査方法
百日咳の診断には主に以下の方法があります:
- PCR検査:最近ではPCR検査が最も感度が高く、特に急性期での検出が可能です。特に重症例や発症初期に有効です。
- 血清抗体検査:感染から2週間以上経過した場合には、血清抗体価の測定が有効です。
- 培養検査:古くから使用されていますが、感度が低く、結果が出るまで時間がかかるため、迅速な診断には向きません。
3. 検査を受けるタイミング
発熱や長引く咳がある場合、特に「コンコン」と続く咳が数週間以上続くときには、早めの検査が重要です。大人も感染源となり得るため、家庭内や職場での感染拡大を防ぐために積極的に検査を受けましょう。
院長コメント👨⚕️
百日咳の増加は、まるで草野球チームに突然プロ野球選手が混ざってきたかのようです。普段は軽く考えられがちな咳も、急に本格派が現れると周囲は大混乱。かつての日本でも、平安時代には疫病が流行すると「物の怪」の仕業として恐れられたそうですが、現代の物の怪は感染症。早めの診断で、安心できる環境を取り戻しましょう。