こんにちは、皆さん!今日は、子どもの適切なスクリーン時間についてお話しします。現代の子どもたちは、スマホやタブレット、テレビといったスクリーンデバイスを日常的に使用しています。親としてどのようにスクリーン時間を管理するべきか悩んでいる方も多いと思いますので、いくつかの研究から得られた知見をシェアしたいと思います。
論文のまとめ
- 過剰なスクリーン時間のリスク
米国の調査では、子どもたちの49%が、アメリカ小児科学会が推奨する1日2時間以内というガイドラインを超えるスクリーン時間を過ごしていることが報告されています。特に、食事中にテレビを見たり、寝室にテレビがある子どもは、スクリーン時間が長くなる傾向があります (Gingold et al., 2014)。 - スクリーン時間と健康への影響
ポルトガルで行われた研究では、スクリーン時間が1日1時間を超えると、肥満や学業成績の低下、言語発達の遅れなど、健康に悪影響を及ぼす可能性が指摘されています。また、ほとんどの親はガイドラインを知っていながらも、子どものスクリーン時間を十分に制限できていない現状も報告されています (Ferreira et al., 2020)。 - アクティブ vs パッシブスクリーン時間
オーストラリアの研究によると、スクリーン時間には「アクティブ」と「パッシブ」の2つのタイプがあることが提唱されています。アクティブスクリーン時間(教育的なゲームやインタラクティブなプログラム)は、認知能力を向上させる一方で、パッシブスクリーン時間(ただテレビを見るだけなど)は、特に長時間になると、運動不足や健康問題のリスクを高めることが分かっています (Sweetser et al., 2012)。 - 保護者のスクリーン使用と子どもの習慣の関連
研究によると、親自身が長時間スクリーンを使用する家庭では、子どものスクリーン時間も増加する傾向があります。つまり、親の行動が子どものスクリーン時間に大きな影響を与えているのです (Lauricella et al., 2015)。
子どものスクリーン時間を減らすためのヒント
- 家庭でルールを作る
スクリーン時間に関する家庭内のルールを明確にし、食事中や寝る前にはスクリーンを使用しないようにしましょう。 - アクティブな時間を増やす
スクリーンに向かう時間を減らすために、子どもと一緒に散歩をしたり、スポーツを楽しんだりといったアクティブな活動を増やしましょう。 - 親自身も意識する
親が自らスクリーン時間を減らすことで、子どもに良い影響を与えることができます。スクリーンを使わない時間を家族で楽しむ工夫をしてみてください。
院長コメント👨⚕️
歴史の中で、すべてを予見する賢人がいたわけではありませんが、アレクサンドロス大王が若き日に師匠アリストテレスから学んだ「節度」の教えは、現代のスクリーン時間にも通じるものがあります。アレクサンドロスが馬を制御するように、私たちもスクリーンというデジタルの「馬」を制御し、子どもの未来を健康的に育んでいきたいものです。「スクリーンの制御は、私たちの手にある!」と、アリストテレスが言うならば、私たちも日々の生活に取り入れる価値があるかもしれませんね。