RSウイルスとは？
RSウイルスはかぜのウイルスとして日本でも広く分布しており、ほぼすべての子どもが2歳までに感染するとされています。一方で新生児や乳児に罹患すると細気管支炎やウイルス性肺炎に進展することが多く、新生児や乳児にとって感染リスクの高い注意すべきウイルスです。
安全な子育てをサポートしたい。当院はアブリスボ®ワクチンを導入します。
これまでRSウイルスに対する防御策はありませんでしたが、今回妊婦さんに接種する「アブリスボ®」ワクチンは、出生後の赤ちゃんをこの感染症から守る重要な手段となり、画期的なものとなります。当院のビジョンは「笑顔で安心して、出産や子育てができる社会を作ること」であり、このワクチンにとても期待しており、導入を行うこととしました。
ワクチン接種方法は？
妊娠24～36週の妊婦さんに接種します。１回のみの接種（0.5mLを筋肉注射）となります。
※当日は週数のわかる母子手帳ご持参ください
※事前に産婦人科医に承諾頂くことをおねがいします
どんな有効性があるの？
アブリスボワクチンは妊婦さんに接種することで、胎盤を通じて赤ちゃんに抗体が移行し、生後半年程度までRSウイルスから赤ちゃんを守る効果があります。特に生まれた赤ちゃんのRSウイルスによる下気道感染（肺炎や細気感染）を予防する効果が高いです。残念ながら、ワクチンを接種しても完全に罹患しないと言いきることは難しいですが、罹患しても軽症でおさまる可能性が非常に高くなります。
※MATISSE（MATernal Immunization Study for Safety and Efficacy）試験について
第3相、多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照国際共同試験で、健康な妊婦と、生まれてきた乳児それぞれ7,000人以上が参加しました。ワクチンの有効性は、RSウイルスを原因とする MA-LRTI （医療機関を受診した下気道感染）は⽣後 90 ⽇で57.1％、180 ⽇で51.3％の減少が認められ、RSVを原因とする⾼度のMA-LRTI は⽣後90 ⽇で81.8％、⽣後180⽇で69.4％の減少が認められました。ワクチンは全体的に良好な耐容性を示し、母体および乳児に重大な安全性の懸念はありませんでした。The New England Journal of Medicineに公表されております。
副反応・有害事象は？
アブリスボワクチンの一般的な副反応には、妊婦さん接種部位の痛み、発赤、腫れ、軽度の発熱などがあります。これらの副反応は通常軽度で、一時的なものです。しかし、まれにアレルギー反応などの重篤な副反応が起こる可能性があるため、接種後はしばらくの間観察が必要です。もちろん、あかちゃんの早産や出生時体重にも影響はありませんでした。
前述したMATISSE試験では、接種した妊婦の局所反応としては注射部位の疼痛などはワクチン群で多かったものの、重症はなく多くは軽症から中等度でした。また全⾝反応としての疲労感や頭痛などの症状、その他の有害事象はワクチン群とプラセボ群では同様でした。さらに早産や出⽣児体重についてもワクチン群とプラセボ群では有意差はありませんでした。
ワクチン価格について
１回：27,000円（税込み）
※事前予約前払い制
※7/4(木)より接種を開始します。詳しくは電話にてお問い合わせください。
一度クリニックで支払いを行っていただいてからの発注となります。支払い時は御本人の保険証が必要です。
まだ発売したてであり薬剤自体の価格が高いままですが、当院でもできる限り価格をおさえる取り組みをしております。安心してあかちゃんを産み、育ててほしいという願いをこめております。
当日は週数のわかる母子手帳ご持参ください。また接種することを事前に産婦人科医に承諾頂くことをおねがいします。
＜院長コメント＞
特に上にお子様がいる方におすすめです👨⚕
このワクチンは、特に乳児におけるRSV感染症の重症化を予防するための重要な進展と考えます。小児科をしていると、上にお子さんがいらっしゃる場合には下のお子さんに風邪をうつしちゃうということはよく起きますが、それがRSVだったときにはとても注意が必要となります。このワクチンが普及することで家族みなが安心して過ごせるひとつの強力なサポートになると考えます。悩まれている方は日本産婦人科学会、日本小児科学会からのワクチン接種についての考えもご参考にされてください。我々にもいつでも気軽にご相談ください。
我々のミッションは「笑顔で安心して、出産や子育てができる社会を作ること」と考えています。みなさんの子育てがよりよいものになるよう引き続きサポートしていきます。
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