<日本脳炎ワクチン>
3歳からではなく、生後半年からの接種を推奨しています。
こんにちわ!🍀今回は日本脳炎ワクチンを受ける時期についての話題です。
日本脳炎ワクチンの ”標準的な” 接種は3歳からとされています。これは、長い間、日本脳炎の発症年齢が主に3歳以上で、3歳未満での発症は稀と考えられていたためです。しかし、近年では3歳未満の発症例も報告されるようになっています。例えば、2009年には高知県で1歳児、2011年には沖縄県で1歳児、2015年には千葉県で生後11か月児が発症しています。
上記をふまえ、また直近の罹患者が千葉県であることから、当院では生後6カ月からの日本脳炎ワクチン接種開始をおすすめしております。
では、本当に有効性は同等なのか、副作用が強まる懸念はないのか、など疑問が出てくると思います。結論から申し上げると、
「生後半年から接種を開始しても有効性は同等で、リスクは増えない」
ことが示されています。現在、日本小児科学会でも地域によっては生後6カ月からの接種を推奨しています。詳しくはこちら。
以下、いくつかの研究結果も紹介します。
論文の調査結果
- 生後8ヶ月からのワクチン接種の効果と安全性
研究では、日本脳炎ワクチンを生後8ヶ月から接種した際、免疫反応や安全性に関して従来の接種スケジュールと比較して遜色ないことが確認されました。この研究によれば、生後8ヶ月からの接種でも高い免疫応答が見られ、副作用の発生率も低かったとのことです (Gatchalian et al., 2008)。
📖 - 生後6ヶ月からの接種でも高い免疫効果を確認
別の研究では、生後6ヶ月の子どもに日本脳炎ワクチンを接種した場合、3歳からの接種と比較しても同等の免疫効果が得られることが確認されています。さらに、この接種時期の変更により、感染リスクの高い地域に住む幼児を早期に守ることが可能になります (Tsai et al., 1998)。
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院長コメント👨⚕
生後半年から第一期(3回シリーズ)を受け、9歳から第二期接種を!
歴史上でも、偉大な医者たちはしばしば「時期を逃さない治療」の重要性を説いてきました。ナポレオンの軍医は「早期の治療こそが命を救う」と言いましたが、それは現代のワクチン接種にも当てはまります。早期の接種は、最適なタイミングでリスクを最小限に抑えることができるのです。生後半年での日本脳炎ワクチン接種は、子どもたちを一歩先に守るための素晴らしい一手です。これは甲冑を整えるようなものですね。