皆さん、こんにちは!🍀
今日は、小さな子どもたちに起こる「泣き入りひきつけ(泣き入り痙攣)」についてお話ししたいと思います。この症状は、小児科の診療現場でよく見られるものですが、保護者の方にとってはとても心配な現象です。しかし、いくつかの研究を見てみると、この症状がどういうもので、どのように対処できるかがわかってきます。まずは、いくつかの信頼できる論文を参考にしながら解説します。

泣き入りひきつけ(憤怒けいれん)に関する研究

  1. Goldman, R. (2015) によると、泣き入りひきつけは健康な幼児において起こる無害な症状で、6ヶ月から48ヶ月の子どもに多く見られます。この症状は通常、怒りや軽い怪我といった刺激をきっかけに始まり、息を止め、青白くなり、場合によっては一時的に意識を失うことがあります。診断が確定したら、心電図と貧血の検査のみで十分で、それ以上の調査や専門医への紹介は必要ないとされています(Goldman, 2015)。
  2. Çalık et al. (2017) の研究では、泣き入りひきつけが脳に永久的な損傷を引き起こすことはないとされています。研究対象である18名の子どもを磁気共鳴スペクトロスコピーで検査した結果、泣き入りひきつけによる神経細胞の損傷は見られず、発作後に正常な状態へと戻ることがわかりました。このことからも、泣き入りひきつけは大きな心配の要因にはならないと言えるでしょう(Çalık et al., 2017)。
  3. Leung et al. (2019) は、泣き入りひきつけが子ども全体の0.1%から4.6%に影響を及ぼすと報告しています。この症状は、感情や痛みによって引き起こされるもので、通常は無害で、成長と共に自然に解消されることがほとんどです。特に、鉄欠乏性貧血がこの症状の発症に関係していることが多く、鉄分の補給によって症状が軽減する場合もあるとのことです(Leung et al., 2019)。

これらの研究を総合すると、泣き入りひきつけは幼児期に頻繁に見られる無害な現象であり、成長とともに自然に解消されるケースが多いことがわかります。親としては非常に心配になるかもしれませんが、適切な対処方法を知っていれば、落ち着いて対応することができます。

泣き入りひきつけの対処方法

泣き入りひきつけが発生した場合、次のように対応しましょう:

  • 子どもを安全な場所に横たえ、頭を守るようにしましょう。ひきつけの最中に転倒したり頭を打ったりしないようにすることが大切です。
  • 落ち着いて子どもが呼吸を回復するのを待ちましょう。泣き入りひきつけは通常、数十秒で解消されます。
  • 呼吸が回復しない場合や発作が長引く場合は、速やかに医療機関に連絡しましょう。頻繁に発生する場合は、医師に相談し、鉄分の補給が有効かどうか確認するのも良いかもしれません。

院長コメント👨‍⚕️
ひきつけに驚き大変心配になるお気持ちはよくわかります。

泣き入りひきつけについて考えると、ふとアイザック・ニュートンの「万有引力の法則」のエピソードが思い浮かびます。ニュートンがリンゴの落下を見て重力の存在に気づいた話は有名ですが、実際にはその発見までに長い年月と多くの観察が必要でした。ニュートンは、見えない力を解き明かすために、粘り強く観察を続け、試行錯誤を重ねたのです。

泣き入りひきつけも、最初は不可解で不安を感じさせるものかもしれません。しかし、ニュートンが自然の真理を見出したように、落ち着いて観察し、知識を持って対処することで、その現象の正体が見えてきます。子どもたちの成長過程には、目に見えない力や現象が多く働いているものです。泣き入りひきつけも、そういった成長の一部と考えてみてください。ニュートンが重力の法則を発見したように、冷静に見守ることでお子さんの健やかな成長を支えられるはずです。

科学の視点から見ると、泣き入りひきつけも少し身近に感じられませんか?ニュートンが重力という目に見えない力を観察し続けたように、私たちもお子さんの成長を見守りながら、不安や驚きに惑わされず冷静に対応していきましょう。それが、親としての「発見」と言えるかもしれません。

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