インフルエンザは脳症や脳炎などの深刻な合併症を引き起こすことがありますが、ワクチン接種によってそのリスクが大幅に減少することが示されています。いくつかの研究がこの点を裏付けており、予防接種の重要性が強調されています。

まず、日本におけるインフルエンザに関連した急性脳症についての研究では、1994年から2002年の間に89人の子供がインフルエンザに関連した急性脳症を発症し、そのうち37.1%が死亡したと報告されています。ワクチン接種が行われていない場合、急速に進行するケースが多く、脳炎や脳浮腫が引き起こされることが示唆されています(Togashi et al., 2004)

また、ノルウェーで行われた大規模なレジストリ研究では、インフルエンザ感染後に脳炎のリスクが顕著に増加する一方で、インフルエンザワクチン接種によってそのリスクが低下することが確認されました。具体的には、インフルエンザ感染後の脳炎リスクは大幅に増加し、特に感染後7日以内に発症するケースが多い一方、ワクチン接種に関連する脳炎のリスクはほとんど見られなかったという結果が得られています(Ghaderi et al., 2017)

さらに、兄弟間で発生した急性壊死性脳症のケースでは、インフルエンザワクチンを接種していなかった2人の子供が深刻な症状を示し、そのうち1人が死亡したことが報告されています。この事例は、インフルエンザ関連の脳症に対してワクチン接種がいかに重要かを示すものです(Howard et al., 2018)

院長コメント👨‍⚕️

歴史を振り返ると、武士道で有名な宮本武蔵が剣の達人として知られていますが、彼の戦術には「予防策」が欠かせないものでした。剣の達人ですら準備を怠らず、常に次の一手を考えて行動していたのです。同様に、現代における私たちの「準備」は、ワクチン接種です。インフルエンザのリスクを前もって減らし、健康を守るためには、この「予防の剣」を手に取ることが大切です。何事も、後手に回るよりも先手必勝。健康も戦いも、しっかりとした準備が成功の鍵です!

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