赤ちゃんのべろに白いもの ~鵞口瘡(がこうそう)は怖くない~

こんにちは!今日は赤ちゃんの口の中に見られる「鵞口瘡(がこうそう)」についてお話しします。「白いものが舌や口の中にあって大丈夫?」と心配になる親御さんも多いかもしれません。でも安心してください!鵞口瘡はほとんどの場合、心配のいらないものです。まず、いくつかの研究結果を参考に、この病気について理解を深めていきましょう。


鵞口瘡に関する研究

  1. 自然に治る場合が多い
     鵞口瘡の主な原因は「カンジダ・アルビカンス」という真菌(カビ)です。このカビは普段から人間の体内に存在しているもので、免疫力が少し未熟な新生児に時折見られることがあります。ただし、多くの場合、免疫が整ってくると自然に治ることが確認されています (Lehner et al., 1964)

    📖
  2. 軽い症状がほとんど
     赤ちゃんが鵞口瘡にかかった場合でも、通常は軽度で済むことがほとんどです。口の中の白い斑点が見られても、赤ちゃんが痛みや食欲不振を示さない限り、特別な治療を必要としないことが多いです (Vila et al., 2020)

    📖
  3. 治療が必要な場合でも簡単に治る
     症状が進行して少し痛みや不快感がある場合でも、抗真菌薬を短期間使用することでほぼ確実に治癒することが報告されています。一般的な治療法にはナイスタチンやフルコナゾールがあり、どちらも安全で効果的です (Goins et al., 2002)

    📖

鵞口瘡が心配ない理由

鵞口瘡は赤ちゃんの健康に重大な影響を与えることは、ほとんどありません。軽い場合には治療の必要もなく、成長とともに自然と改善するのが一般的です。また、予防やケアも簡単で、哺乳瓶やおしゃぶりを消毒するなどの基本的な清潔習慣でリスクを減らすことができます。

もし症状が見られても慌てずに、小児科医に相談してください。「鵞口瘡かな?」と感じたら、その場で診察してもらえれば、ほとんどの場合すぐに安心できる答えがもらえます。


院長コメント👨‍⚕️

鵞口瘡を例えるなら、「白い雲が空に浮かぶようなもの」です。一見すると目立ちますが、時間が経てばすーっと消えていくもの。江戸時代の俳人・小林一茶の句に「空もよう 心を広く ただ待てよ」とあるように、赤ちゃんの成長を温かく見守る心構えが大切です。

赤ちゃんの体は驚くべき自己回復力を持っています。鵞口瘡もそのひとつの例で、ほとんどが自然に治ります。少し気にかけながらも、あまり心配しすぎずに、子育てを楽しんでくださいね!

PAGE TOP