こんにちは!今日は、小児科のクリニックでよく聞かれる質問「赤ちゃんの便に小さな赤い糸のようなものが混じるんですが、病気ですか?」という疑問についてお話しします。この現象、特に健康状態に問題がなく、病的意義がないことが多い「リンパ濾胞増殖症」に関連している可能性があるんです。

リンパ濾胞増殖症とは?

リンパ濾胞増殖症(Lymphoid Hyperplasia)は、消化管内にあるリンパ組織が一時的に増える現象です。赤ちゃんや子どもにおいては、これはごく自然な反応であることが多く、何も心配する必要がないとされています。例えば、次の研究がこのことを裏付けています:

  1. AJR. American Journal of Roentgenologyでは、腸内での小さな結節状のリンパ濾胞が「正常なパターン」として見られることが示されています (Laufer & Desa, 1978)

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  2. Journal of Clinical Gastroenterologyの研究では、147人の子どもを対象にリンパ濾胞増殖症(LNH)が小腸や大腸に現れるが、通常は健康に問題なく経過することがわかっています。症状は軽度の腹痛や便に血が混じる程度で、治療の必要がない場合が多いとのこと (Colón et al., 1991)

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  3. また、Radiologyの別の研究では、大腸のリンパ濾胞増殖症が正常な免疫反応の一環として起こり得ることが示されています。これは、外部からの刺激に対する一時的な反応として現れることが多いです (Capitanio & Kirkpatrick, 1970)

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病的でない便にまじる赤い糸の正体

さて、赤ちゃんの便に小さな赤い糸が混じる原因ですが、これは時折、リンパ組織が便の中に微細に混ざることが原因となります。実際、リンパ濾胞が腸内で活発になると、一時的に腸粘膜から微小な血が出ることがありますが、これはごくわずかなもので、心配には及びません

重大な病気には注意!

そうはいっても、赤ちゃんには重大な病気が隠れている可能性もあります。例えば、腸重積腸捻転などです。血便にくわえて、頻回な嘔吐、過剰な不機嫌、真っ赤や真っ黒な便は要注意ですので、心配なことがあればいつでもご相談ください。

院長コメント👨‍⚕️

子どもたちの体って、まるで忍者みたいですね!必要に応じて、体内の「防御力」を自然に増強する術(すべ)を持っているのです。たとえば、江戸時代の忍者が襲撃から身を守るために偽の足跡を作って敵を惑わせるのと同じように、赤ちゃんの体もあらゆる「敵」に備え、見えないところで戦っているんです。忍者が使う「煙玉」のように、赤ちゃんの体も一瞬の「赤い閃き(せんき)」で自己防衛しているのかもしれませんね!


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