抗菌薬を飲んだら発疹!?溶連菌と発疹の“ちょっとややこしい”関係
今日は「溶連菌(ようれんきん)にかかったお子さんが抗菌薬を飲んでいたら発疹が出た!」というケースについてお話しします。これ、実は小児科ではよくあるご相談なんです。

■原因について
- 抗菌薬アモキシシリンの服用後、発疹が出ることがある
- 薬の副作用ではなく、溶連菌に対する免疫反応のこともある
- 薬のアレルギー?それとも感染そのもの?診断には慎重さが必要
■じゃあ、どうすればいいの?
発疹が出ても慌てず、以下のような点に注目しましょう!
- 発疹がいつ出たか?(抗菌薬を始めて何日後?)
- かゆみや熱があるか?
- 関節の痛みや全身の不調を伴っていないか?
これらによって、「薬の副作用なのか」「感染による免疫反応なのか」「まったく別の病気なのか」を見極めるヒントになります。
院長コメント👨⚕️
医療において重要なのは、「目に見える症状の奥にある背景」を丁寧に見極めることです。発疹はその代表例のひとつです。
抗菌薬を服用している最中や後に発疹が出た場合、それが薬に対する反応なのか、感染そのものの反応なのか、あるいは別の免疫的な現象か、慎重に判断する必要があります。
私は、これは「茶道」における“間(ま)”に似ていると感じています。お茶を点てるとき、急がず、焦らず、一つひとつの所作に意味を込めて進めるように、医療の現場でも、ひとつの症状を見てすぐに結論を出すのではなく、時間の流れと症状の変化を丁寧に追いかける姿勢が求められます。
正確な診断と適切な対応のために、私たちは日々、そうした“静かな観察”を重ねています。発疹ひとつでも、そこに潜む意味をしっかりと受け止める診療を、これからも心がけてまいります。